感覚とは

sentir


知らない地をただ歩いているだけでも、その地の独特の匂いがするとき、逆に懐かしい匂いを感じてどこも同じだと思うこと

若く瑞々しい肌の感触、老いて弾力のない奇妙なほど柔らかい感触

時に死を思わせるほどに柔らかいのは老人の唇


痛み、苦しみ、悲しみ、そして喜び

年季の入った人の匂い、新しく生まれた命の匂い、死の匂い

その人の香り、人種の香り


電車の中から過ぎ行く景色を見る

地上を歩くわたしの低い目線では見えなかった四季の移ろい

外は騒しくとも、家の中は無音