3度目のマゾ

えむじょしてきた

ショー前は歳の数だけ針とかってイキってたくせに笑、久しぶりにステージのひんやりした空気肌で感じると急に気持ちが引き締まって、いつもよりすっきりとした頭で目の前の痛みにだけ目を向けたら針が怖くなって、久しぶりに本気でイヤイヤって首を振ったけど半分はドキドキしていたりとか

久しぶりに吸収したお弁当が祟ってその後の吊りで意識飛ばしかけたけど、それもまた私の中では良かったのかなとか(ショーとしてはよくないけど)

失神寸前だったせいで中盤以降の記憶がぼんやりしているものの、払われる鞭をいつもより真剣にずっと見ていたことや、鋭い痛みに涙が滲んだのはしっかりと覚えてる

あとはステージの灯り、そして冷たい空気、肌を這う指や縄や鞭の感触、赤い色

床に滴った蝋燭の残骸の隣に、それよりもどす黒く派手に滴っていた私の血

全身の血の気が引くとともに滲む汗、ぼんやりと霞む視界

吐き気を感じているのに手足も頭すらも動かせず、唇も舌もしっかりと留められて何も訴えられない

それでも怖くなかった、怖かったのは意識を飛ばしてこの時間を台無しにしてしまうことだけで、自由のない身体に何一つ恐怖を感じることはなかった

むしろ気持ちよかった

汗でじっとりとした上半身を床に横たえていると名前を呼ばれる

拘束された不自由な身体を引き摺るとぬるりとした汗と血が足に絡みついて、そしてその先に笑顔が見えて、心地よいと改めて感じた


10代の頃から関わってきた界隈だけど、こんな気持ちで純粋に痛みや恐怖を感じて楽しんだのは最初の数ヶ月以来のことかもしれない


久しぶりに楽しかったなあ

トラブっちゃったから今度からはお呼びかからないかな、なんて少し凹んでみてはいるものの、生きてることが久しぶりにしあわせだなと感じた夜。