惨め

服を着ていない自分の身体が惨めで、仕事が嫌になる

太い脚を露出するみっともなさも惨めだったが、枯れ木のような腕を剥き出しにするのもまた惨めで、結局夏という季節が好きになれない


服に合わせた身体、わたしのものでない身体、わたしの身体、服のための身体

纏う布がなければ価値のないただの枯れ木


最初に冷たくしたのは自分のくせに、見放されると悲しい事実

肉ではなく私の魂を愛して欲しい

信仰上の理由

最近、吐くのにも食べるのにも疲れてきていて

学校に戻ることに不安を感じていたけれども、正直時間を有効に潰せるようになってほっとしている

暖かい日差しにちゃんと当たれることや、誰かと喋ることの幸せ


食べるも食べないも自分の中の神の意思に従うだけのこと

悔い改めて貫き通すべし

完全に土に還ることはできなくとも


卒論はシモーヌ・ヴェイユにした。

消したいもの

回復に向けて自分のことを振り返ると、嘔吐に夢中だった頃に気づかなかったことが見えてくる。

吐く事で消したかった過去の話が主に


風俗もホストも整形も自分で選んだことだからそれは隠さないけど、不本意に起きた出来事は誰にも言えない


職業柄誰かに話したところで、和姦なんでしょ?って言われるであろうレイプ 経験

自分ですら2年もの間それがレイプ だったことに気づいていなかったけれど


珍しく書くのが辛いから、また追って

枯れ木

一番細かった頃の自分の四肢を、「枯れ木」と呼んでいる。

憧れのツィギーのように健康的な細さじゃなく、不健康な枯れ木。


枯れ木は長い冬を越えて、漸く息を吹き返し、春に向けて新芽を出そうとしている、けれど。

いまはおばあちゃんとも仲良しで、父親との関係は微妙だけど一時期のようにピリピリした感じではなく、純粋に家族のことが好き

甘えてはいけないと思い込んでたけど、大人になって今更ごろごろに甘えるようになった

甘えさせてもらう代わりにお金の心配はさせたくない


また頑張ろうって思えるのは家族がいるから

思い出

世界中いつだって自由に行けることを知ったのは2年前。以来、歌舞伎町は私にとって刺激的な街ではなくなった。


大好きだったとあるホストグループも、今や知ってる顔ぶれは僅かで、私の知る栄えた時代はいつのまにか終わってしまったのだなと思うばかり

眠らない街が好きだったけど、魔法の解けたその街はただ汚くて寂しいだけの街だと知った


無敵のあの頃に戻りたいよ。根拠のない自信でも確固とした自信があって、1番が大好きだった自分に戻りたい。

ブスでバカだったけど真っ直ぐで純粋で元気だった。なまじ賢くなったぶん私は臆病になり、綺麗になったぶん疑り深くなった。


ネオン輝く魔法の夜に似合うのは今の私だけれど、願わくばまだ子供だったあの頃の私に戻って、もう一度魔法を感じたい。

真人間になるには

わたしは自分に自信がないながらも風俗という仕事が好きで4年間この沼の中からずるずる抜け出せずにきた

その日暮らしで不安もあるけど1日で大金が手に入る快感は癖になる

今はお金持ちでも不安定な明日に絶望してもう首括って死んでやるなんて自殺ごっこするのも自由

乱暴な人もいるけど、結局のところ私は人形だから関係ないし

急に仕事休んで明日から海外逃亡しても怒られない

海外逃亡する資金も簡単に作れる

自分より若い子がお店に入ってくると情緒不安定になるけど、何年も現役続けてるお姉さんを見て元気になる

刹那的な私が抜けられるわけがない。


就職もせずに賞味期限切れまで仕事を続けて、その日が来て誰も支えてくれる人がいなければ死のうかなと思ってた

でも、突然蜘蛛の糸が空から垂れて来て、つかむかどうか悩んでる

元のレールに戻っても、また脱線するのがオチかもしれない不安

このまま今の生活を続けることの不安

お金が好きだしお客様も好き

だけど、身の回りに転がっている普通の幸せな営みに羨ましさを感じる


思い出したの

風俗嬢だったことも全部無かったことにするために上がるその日にフル整形しようと思ってた

でも稼ぎを伸ばしたくて、働きながら整形を繰り返してきた


今この糸を掴めばもしかするとなかったことにできるのかもしれない

過去の記憶を全て捨てて新しい自分になりたいと、どれだけ願ったことが

最初は楽じゃないかも

でもそのうち、心から幸せと言える日が来るなら、糸を掴むべきだ